「源泉かけ流し」って、そんなに特別なの?

温泉旅に出ると、よく目にする「源泉かけ流し」「天然温泉」という表示。何となくイメージはあるけれど、「え、何が違うの?」って思ったことはありませんか?

私も父と一緒に温泉めぐりを始めたばかりの頃、「“かけ流し”って豪華そうだけど、どう違うの?」と、正直よく分かっていませんでした。でも調べてみると、この2つ、見た目以上に“中身”が違うんです。

今回は、そんな「源泉かけ流し」と「天然温泉」の違い、そしてそれぞれの魅力や選び方について、分かりやすくまとめてみますね。

「天然温泉」とは?「源泉かけ流し」とは?

まず「天然温泉」は、地中から湧き出た温泉を使用している施設のこと。つまり、“本物のお湯”を使っていればOKで、加温や加水、ろ過などがされていても、天然温泉と名乗ることができます。

一方で「源泉かけ流し」は、湧き出たお湯をろ過・循環させずにそのまま使って、使い終わったら排水しているスタイル。つまり、使いまわさず、いつも新鮮なお湯が湯船に注がれているということです。

私が初めて“源泉かけ流し”を体験したのは、群馬の山奥の温泉宿。お湯が常に注がれて、溢れて、サラサラと湯舟から流れ出ていく音。なんだか「贅沢ってこういうことか」としみじみ感じました。

それぞれのメリット・デメリット

天然温泉(循環式含む)のメリットは、温泉地の施設が比較的多く、清潔に管理されていること。加温やろ過をすることで安定した温度と品質を保てるため、利用者にとっては安心感があります。入浴剤ではない“本物の湯”を気軽に楽しめるのも魅力です。

一方、源泉かけ流しのメリットはなんといっても“湯の鮮度”。泉質そのまま、成分もそのまま、湯の呼吸が感じられるような感覚があります。ただ、源泉温度が低い場合は季節によってはぬるく感じることもありますし、泉量が豊富でないと維持が難しいため、設備として整っている場所は限られています。

「とことん温泉らしさを味わいたい」と思うなら、かけ流し。「清潔で安心、安定した湯を楽しみたい」なら、天然温泉(循環式)も十分満足できると思います。

シーンで選ぶ、おすすめの使い分け方

ツーリングで長距離を走って疲れたときには、「温度も安定していて、施設が整っている天然温泉」がありがたい。実際、父と長旅の途中で立ち寄った大型温泉施設では、清潔さと程よい湯加減にホッとしたものです。

逆に、「今日は自然に近い、ちょっと特別な温泉に入りたいな」と思ったときは、源泉かけ流しを探して寄り道してみたり。源泉が湯舟の底から湧いているタイプのお風呂に出会うと、もうテンションが上がってしまいます(笑)

ちなみに、源泉かけ流しはシンプルな浴槽でこぢんまりしている施設も多いので、のんびりしたいときや混雑を避けたいときにもおすすめですよ。

表示に惑わされることなく、自分がその日どんなふうに温泉を楽しみたいか、それを基準に選ぶのが一番です。
どちらにも良さがあって、どちらも「温泉らしさ」を感じられる贅沢な時間。あなたもぜひ、旅先での温泉選びに“ちょっとした視点”を取り入れてみてくださいね。